へなちょこの3ヶ月強に渡って行った一大プロジェクトについてお話しします。
ことの起こり
この4コマ漫画、たったひとりの為だけに描き続けたものなので
どこかに投稿したりだとかは、今までもそしてこれからも一切されません。
ではそのひとりとは誰なのか、それは。。
現在、引きこもり中の高校時代の親友です。
たった一人の読者
へなちょこと彼が通っていた高校は少し特殊な学校で
通信制でありながら全日制という形態の学校でした。
なのでいろんな事情を抱えてたどり着いた生徒が多く
へなちょこと彼もそのひとりでした。
へなちょこは中学時代不登校、
彼は一度普通の高校に進学したものの辞めてしまって、
なので彼は一つ年上の同級生でした。
彼は一見、明るく社交性があって問題を抱えているようには思えないのですが
それこそが彼の抱えている問題のひとつ、弱い姿を見せられないという部分なんです。
人前での彼の立ち振る舞いはすべて気を張っている状態に当たり、
本人は常に緊張を解かず生活を送るのでストレスがかかるのは当たり前。
ストレスに押しつぶされると学校に来なくなります。
しばらく休んでから、また気合を入れなおして通い始めるのですが
数か月たつとまた来なくなる。
高校時代の彼はこの繰り返しでした。
へなちょこ自身も出席率は50%もなかったのですが
これに関しては、中学時代の不登校で染みついたなまけ癖が抜けきらず
怠惰で学校に行かないことがしばしばあった、
というものなので、彼の学校に行かないとは違うものでした。
とはいえ、へなちょこも彼もそれなりに高校生活は楽しんでいました。
少ない出席の中で。。笑
1年次に彼と同じクラスで特殊な学校ということもあってか
男子の人数がクラスの3分の1でしたのでクラスの男子とは必然的に仲良くなりました。
彼がクラスの中で一番仲がいいのはへなちょこ
自他ともにこの認識があるくらいの距離感だったと思います。
一ヶ月ですが一緒にオーストラリアへの短期留学のプログラムに参加したりもしました。
なので一年生の時点で彼はへなちょこの親友でした。
2、3年生では別々のクラスになりお互いそれぞれの友達と過ごすことも増えましたが
そんな中でも二人で話したりご飯に行ったりの関係は続いていました。
高校卒業後、へなちょこは地元を離れることになり地元に残った彼とは疎遠になっていき、
新年の挨拶などの節目の連絡だけの時期が続くこともしばしば。
風のうわさで彼が卒業後に入った専門学校をやめてしまったという話を聞いてので
久しぶりに連絡をして、
その時は僕も卒業後の生活がうまくいかずにいたので自分のそんな話も交えてお互いの話をして
彼は次の目標もすでにあって、前を向いているようだったので特に心配はしていませんでした。
その連絡をきっかけにたまに一緒にゲームをするようになって、そこで近況を聞きいて、頑張っているんだなと安心していました。
何度かゲームをしたところで僕がそのゲームに飽きてしまったことで再び連絡を取らない期間に入りました。
しばらく期間があいて新しい年を迎えたので新年の挨拶を送りました。
へなちょこはシャイボーイなので基本自分から新年の挨拶なんてしないので
例年は彼のほうから送ってくる 新年の挨拶LINEにあけおめスタンプを返す形だったのですが
その年は僕のほうから先行してあけおめスタンプを送信してみました。
1日、2日、たっても返信どころか既読もつかずで
これはなにかあったなと、地元にいる高校時代 彼と近しかった奴に話を聞いたところ
9月くらいから連絡が取れておらず
詳細については何もわからないとのこと
へなちょこは唯一、彼のお母さんと面識があって
親同士交流もあったのでへなちょこの母を通じて彼の様子を尋ねました。
彼のお母さんによると
彼は専門学校をやめてしまった後、新たに入りなおした別の専門学校もやめてしまい
それから部屋に引きこもって誰とも連絡を取っておらず
お母さんとも会話すらしていない状況なんだとか。
めんどくさいな~
一番に思ったのはこれ
続いて、怒りですね。
彼に何があったか知らないし、なににつまずいているのかも知らない、
彼の相談相手にも選ばれなかったこと、縁を切る選択をされたこと、
結局へなちょこの片思いだったという事実に腹がったってしょうがなかったです。
なぜ4コマなのか
彼のお母さんと話す中で、
本人の気持ちが動くのを待つしかない と
お母さんはたとえ何年かかっても彼を信じて待つというお考えなのが分かりました。
しかし、へなちょことしてはそうすることに少し不安がありました。
というのも、へなちょこが中学に行っていなかった時には、卒業という強制的なタイムリミット
生活を変えるきっかけ、そのタイミングで踏み出すことができましたが
学校をやめてしまった今、彼にはそのきっかけがやって来ない
へなちょこの中でその不安は大きくありました。
しかし、一番近くにいるお母さんのお考えもあるので
へえなちょこもはじめは信じて待つことにしていました。
彼が引きこもって一年がたつ頃、再びお母さんに彼の様子をうかがいました。
彼はいまだ引きこもったままのようで
1年間、お母さんと会話をすることもなく
一度も外にも出ていないとのこと
へなちょこ自身も中学時代不登校でしたが
引きこもりというような感じではなく
普通に家族のいるリビングをうろつき、会話もしてましたし
ひとりで外に買い物に行ったり、なんなら学校帰りの友達がよく遊びに来てたし
友達と自転車で遠出なんかもしていました。
なので1年間誰とも会話しない、外にも出ない
そんな心境が想像できませんでした。
なかなかに深刻な状態なのではないかとお母さんからの話を聞いて思いました。
それまでもふとしたときに見ないとわかっていてLINEを送ったりはしていたのですが
ここで初めて手紙を出しました。
とにかく家から出てほしい、その一心で
遊びに来い とだけ書いた手紙を送りつけました。
地元を離れ一人暮らしをしているへなちょこのもとに来いと。
手紙が届いたころに、お母さんから連絡があり
手紙を出してことへのお礼と彼の反応を伝えてくれました。
彼は、手紙の封も開けていない とのこと。
ですよねー笑
お母さんから
はがきなら封を開ける手間がなく内容が目に入るからいいんじゃないか
という提案をいただき
そこからしばらく、はがきに何を書くか考えながら生活することになります。。
バイト中もシャワー中も、家事しながら、食事しながら、ぼーと何を書くか考えていると
あるバイト中一つのアイデアが浮かびます。
そのアイデアを頭の中で走らせると割と楽しくてわくわくして、
これはちょっと面白いかもなー
でもなー、めんどくさいの思いついてしまったなー
それが100日後に死ぬワニのパロディ4コマ漫画
100日後に連れ出すワニ でした。
100日って何日だ?
え、3ヶ月?毎日4コマ描くの?
ろくに絵も描けないのに?
正気かお前。
しょうがない、だって思いついちゃったんだもん。。
地獄の100日連載スタート
さて、やると決まれば途中でやめるわけにはいきません。
最後までやり切れる!そう断言できるところまでしっかりと準備をしなければいけません。
連載開始するにあたって必要な準備
- パロディ元の100日後に死ぬワニを読む
- シナリオの骨組みを考える
- スタートと100日後をいつにするか
- はがきの印刷方法、郵送の確認
- 絵の練習 etc…
まず、この企画を思いつくまでちゃんと読んだことのなかった
100日後に死ぬワニをしっかりと読みました。笑
100日後に死ぬ、をフリにした構成のものや、何気ない日常の風景やあるある
100日間の中で事件があったりなかったり
ネタ切れの不安が大きくあったものの本家を参考に少しその不安は解消されました。
どのようなシナリオにしようか
100日後に死ぬワニのパロディであることはわかってもらう必要があるので
主人公をワニにすることは確定。
実は当初、主人公のワニを引きこもりの彼にして
100日後に外に出るワニ にしようかとも考えましたが
ずっと部屋で過ごすお話しを100日間分描き続けられるわけがないと断念。
結果、主人公のワニをへなちょこにして、
へなちょこが引きこもりの親友を連れ出すまでの物語に落ち着きました。
ちなみに4コマをやる事を思いついてから本家の100日後に死ぬワニを読む。
ここの行動に移すまで約1ヶ月近く間があります。
いったいなぜかって?
もちろんへなちょこだからです。
めんどくさいことは後回し!この怠惰が生んだ1ヶ月です。
続いて連載の開始と終わりをいつにするか
これを決めてしまうと締め切りが生まれ、もうだらだらしてはいられません
100日=約3か月、この期間を考えたときに
時期的に100日後(最終日)をへなちょこの誕生日にすると納まりがよさそうだったので
100日後は2/22に決定し、おのずとスタートは11/14に決まりました。
この時点でスタートまで残り1ヶ月弱、とうとう締め切りが生まれました。。
続いてはがきについてです。
ドラマの描き起こしイラストなどでも使っているペンタブがあるので4コマはデジタルで描きます。
ひとり暮らしの家にプリンターなんてもちろんないので
そのデータをはがきに印刷するにはコンビニに通うことになります。
データの送信方法を調べ、なんとかはがきに印刷することは叶いそう。
ここで初めて印刷にかかるお金を意識します。
はがきへの印刷モノクロなら20円ですが、カラーコピーには70円かかります。
本家がカラーなのでへなちょことしてもカラーは譲れません。
というかへなちょこの画力ではモノクロだと何が何だかわからないと思うので
カラーは必須でした。
70円×100日=7,000円
結構な出費です。。
それから、へなちょこの暮らす地域から地元まではがきを出すのに3日かかることがわかります。
ん?ということは、締め切りが3日早まると。。
そして郵便局の営業の兼ね合いで
月曜日:1枚、 火曜日:3枚、 水曜日or木曜日:1枚、 金曜日or土曜日:1枚、 日曜日:1枚
このようなスケジュールで投函することになります。
投函時間も平日は18:00まで、土日祝日は14:00までと決まっています。
もちろん切手代63円がかかります。
63円×100日=6,300円
0を2つ足すだけの簡単な計算で助かる!
7,000円+6,300円=13,300円
はい、わかりました。。
あとは絵をどうするか、
本家の絵を参考にワニくんを描いてみます。
お?まぁまぁ描けてるな!
本家のイラストもそこまで複雑ではなくシンプルなタッチなこともあって
想像していたよりはいけそうな気がしてほっとしてしまい
本来スタートまでに少なくとも30日分はストックしておきたかったのですが
連載開始時のストックは驚異の4日分という始末。。
さすがへなちょこです。ほんとに我ながら。。
そんなこんなで連載スタート
はがきサイズに画質をグレートダウンさせているので少し見ずらいですがこんな感じ
開始当初はやはり絶望的なクオリティです。
100日間かけてちょっとだけ見やすくなっていってたはずです。笑
内容としては、高校卒業後の地元を離れてからの
へなちょこの2,3年で起こったことを
ぎゅっと100日に詰め込んだような形です。
- 活動の様子
- ひとり暮らし
- バイト中
- 色恋沙汰
- 悲しい出来事 etc…
9割は引きこもりの彼とは関係のないへなちょこの日常です。
君が部屋にいる間にへなちょこにはこんなことやこんなことがあったんだぞ
そんな思いもこめてただただ描き続けました。
ストックなどほぼほぼ作れず、日々締め切りギリギリの戦いでした。
時系列順に要所要所に2,3年のトピックを織り交ぜながら、何げない日常でつないでいく
最初の1ヶ月で日常パートのネタなんて切れてしまい後半は絞り出すのが大変でした。
彼に届いたのか。。
彼のお母さんにも説明せず突然連載を開始したので
1日目が届いたころにお母さんから連絡が、
お金と時間がかかる事を心配して、無理はしないでねとメッセージをいただきました。
楽しんでやっているのでお気になさらず。そう返しました。
実際そうでした。
締め切りに追われる毎日は大変でしたが、
思い返してみれば割と楽しかったです。
毎日届くはがきを彼の目の入る場所においてくれているとのことで
きっと見ているはずとだけ聞いていました。
まぁ始まってしまえば彼が見ている見ていないかかわらず
途中でやめることはないし、少なくともお母さんの目には届くので
あまり本来の目的については深く考えず、楽しんで続けていました。
年が明け100日も折り返しに突入したところでお母さんに連絡をし、
ほんとに連れ出しに伺っていいものか相談しました。
2月に入ったらへなちょこの気持ちを彼に話してみようとおもう。
彼の性格上、人と会うには準備が必要で、その準備が整っていないいま会ってはくれないだろう
とのお母さんの見立てでした。
こうなってしまってはどのように物語を終わらせるか、新たな課題です。
結末をぼんやり考えながらも時間だけが過ぎていき
2月が来ました。
ここまで何とか一度も投函を怠らずに来ました。
2/4 事件が起こります。
今まで既読がつかず放置されていた彼のLINE、
これがこの日、消えたのです。
これは拒絶だな。そう思いました。
お母さんから僕の気持ちを伝えられ、100日後が迫ったところで
来るな
彼にそう言われたようで。。
このLINEが消える数日前、ネタを絞り出す最中
特に何も考えずに描いたこの絵
彼へと伸びた繋がりの糸を切られた。
これを暗示した絵に思えたりと、
正直かなり落ちました。
ミイラ取りがミイラになるとはまさにこのことで
彼のLINEが消えてから数日後、お母さんから連絡が。
へなちょこの気持ちを伝えた彼の反応の報告
かと思いきや、まだへなちょこの気持ちを伝えてはいないとのことで
お母さんは彼のLINEが消えたことも気づいていなかったようで
想像と少しわけが違うようです。
お母さんの要件としては、
へなちょこの気持ちをお母さんの口から伝えるよりも
はがきでへなちょこの言葉で伝えてはどうかとの提案でした。
お母さんもLINEが消えた理由についてはよくわからないとのことで
単純に100日後が近づいての拒絶だったのかなという答えにへなちょこの中では落ち着きました。
これまで数年間ただ放置されていたLINEがこのタイミングで消えたのには
間違いなくへなちょこの嫌がらせが関わっているだろうと疑う余地がありませんでした。
それからお母さんの提案の通り、
初めて文章ではっきりとへなちょこの気持ちを綴りました。
へなちょこは片思いと不義理が嫌いです。
から始まる文章で、
丸坊主にして土下座するなら許す。
で締めくくりました。
そしてこのメッセージを、
少しでも家から出るきっかけを作ろうと
はじめて使う往復はがきに書き記し、
返信用の方には、
2/22連れ出しに行っていいか YES or NO
NO→2/22電話をかけてこい
と書いて特に期待せずダメもとで送りました。
はじめての往復はがきは残念ながら往復しませんでした。
彼のLINEが消えてから、4コマのモチベーションはだいぶ削られ
半ば無理やり終わりを迎えました。
最終日を送り終え、3日後、彼の元に届くころ
目的を果たせず終えた100日にやるせない気持ちでいると
お母さんから連絡が、
彼のLINEが消えた真相について教えてくれました。
LINEがYahooと提携して、規約に同意しないといけない
そんなタイミングが合ったことを覚えていますか?
長らくLINEを放置していた彼がその工程を行っているわけはなく
ちょうど2/4で使えなくなったということのようなのです。
なんというタイミングの妙。
彼に拒絶されたわけではなかった。
裏を返せば、結局へなちょこは彼になんの影響も与えられなかった
ということになります。
それはそれで。。
と、なんとも言えない気持ちでいると
着信が入ります。
21時過ぎ、こんな時間にだれ。。。
え、
久しぶりの会話
あまりの驚きに一瞬固まり、コール音が数秒なります。
心の準備をまったくしていない
でもだめだ、すぐ出ないと逃したら次はないかも
慌てふためきながら通話を開始して
へ:もしもし、○○くん?
彼:そーでーす
相変わらずのふてぶてしい喋り口調、変わってない
へ:いま何年目?
彼:3年くらい
へ:あと何年おると?
彼:わからん
ぎこちない立ち上がり、
何から話そうかとどぎまぎしていると
彼の方は言うことを決めてかけてきていたようで
へなちょこが送ったメッセージへの返答として
今までだれにも相談をしたことがなく、相談相手という存在のハードルがすごく高い ということ。
ずっと人間関係をリセットして生きてきてしまったからこの生き方は変えられない ということ。
そして4コマのなかで自分には心がないんじゃないかと不安に思っていた僕に、
そんなことはない と。
これからも電話にもでないし会わない
今日は電話しないとほんとに家に来そうだったからかけた
とは言っていましたが、
嫌がらせについては好きにしてくれとのことでした。
時間にして5分足らずの3年以上ぶりの会話でした。
100日間の奮闘も無駄ではなかった。
3年間誰からの連絡にも答えなかった
難攻不落の城、その石垣に小さな穴をあけられた。
家に行くと脅せば電話はしてくれるということはわかった。
親友としての大きな役割を果たした気がしてほっとしました。
彼から、電話をもらったことはすぐお母さんに伝え、
1週間後自分の中でも落ち着いたころ、
高校時代、彼と近しかった奴にも報告しました。
それから と これから
100日間の4コマ生活から解放され、
彼への気持ちの整理もついたことで燃え尽き症候群のような状態になります。
ただバイトだけしてあとはだらだらするような日々
頑張ったし、まぁそれもいいかと、のんびりしてしまいました。
なのでドラマ好きの活動もおろそかにし、夢のための活動も一切やらず
ただただへなちょこな生活を送っており、
2月末にはで終わっていたこの出来事を記事にするのがこの3月の終わり、
1か月、余韻を理由にへなちょこしたわけです。笑
2024年最初の1クール○○おろそかにしてしまい、
描いた描き起こしイラストは驚異の2枚だけという体たらくぶり。
ドラマは見てました!楽しく笑
グレイトギフト、最高でした!!笑
4月期は頑張るつもりなので信じてお待ちください。
まだ4月期のドラマまとめはこれから取り掛かります。
頑張ります。ほんとに頑張ります。
へなちょこ
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